涙の効用
    - 2005/12/19(Mon) -
    わたしよりずっと若い、友人から聞いた話です。

    一ヶ月ほど前、地下鉄の駅を降り、地上へと向かう階段を上っていたとき、
    知らない女性に声をかけられました。
    その女性はとても困った顔で、
    「帰してあげたいんやけど、どうしたらいいやろ?」

    友人は、いったい何のことやらわかりません。

    どう答えていいか戸惑う友人はその時、
    女性の足元に、小さな鳥がいるのを発見したのでした。
    ひな鳥らしく、小さくてまだ飛ぶこともできません。
    盛んに鳴いて、階段を上がったり下りたり。
    親鳥はどこにいるのか、姿も見えない。

    「どうしたらいいやろ?」
    「どこに連れていったらいいんやろ?」

    心配そうな女性でしたが、急いでいるらしくて、
    その鳥をお願いと、友人に託して行ってしまいました。

    そこで、友人はその鳥を抱いて、近くの交番に連れて行ったのです。
    でもそこでの、警察官の対応は、

    「どうしようもあらへん」
    「その辺に放したら?」

    と、冷たいもの。

    たまらなくなった友人は、
    「鳥が死んじゃう・・」と涙をポロポロ・・・・

    途端に態度が変わったおまわりさん。

    「ちょ ちょっと待って」と
    動物園に電話をしてくれたのでした。

    そこからパトカーで動物園へ・・・・と、
    そこまで甘くはありませんでしたが、
    連絡をしてくれたので彼女はひとり、
    小鳥を抱えて動物園へと向かったのでした。

    あれから一ヶ月・・・
    あの鳥はどうなったかと気にしていたころ
    動物園から一枚の葉書が届きました。

    「元気になりましたので自然に帰しました」

    彼女が泣いて喜んだのは言うまでもありません。
    そして今回のことで、彼女はひとつ学習をしたのでした。

    「女の涙は武器になる」

    武器にするかどうかは別として、
    嘘のない涙は いいものですね。


    2005-12-19
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