気付きの積み重ね
    - 2014/04/24(Thu) -
    先日テレビのある番組が、
    岡山理科大学が研究しているマグロの養殖について取り上げていた。

    養殖施設の近くに海はありません。
    海水を運んでいるのではなく、淡水で育てているのです。

    海の魚は淡水では生きることができませんが、
    淡水にカリウムなどの電解質を加え、
    「好適環境水」にすることで、
    海水がなくとも海の魚を養殖することができるのだそうです。

    マグロは移動の際や、魚同士でぶつかったりして出来た傷が原因で
    死んでしまうほどデリケートな魚なんだそうです。
    人間が素手で触ると火傷をするとか。
    あんな大きな魚なのに、信じられませんね。

    そんなマグロの養殖は簡単なものではありません。
    失敗も続いたそうです。
    水槽は大型ですが、マグロからみれば小さな水槽。
    マグロが壁と認識できるように模様をつけ、衝突を防ぐ工夫など、
    試行錯誤を繰り返し研究を続けてこられました。

    中心となって進めておられる山本俊政准教授は、
    失敗から気付いたことを、改良し、生かしてきた、
    その気付きの積み重ねだった、と
    話しておられました。

    養殖の是非はともかく、
    食料危機や、海の資源の枯渇を防ぐためにも
    この研究は素晴らしいと思います。


    そしてこの 「気付きの積み重ね」
    という言葉にも、心が留まりました。


    私たち遺族も、そうだったのではないでしょうか。

    傷つき苦しみもだえながら、
    ひとつひとつを越えてきた。

    悲しみにどう向き合えばよいのか。
    自分の感情の扱い方もわからない。
    怒りもある。
    体調も悪くなってしまう。
    何もできない時もあった。

    そんな時に、ふと、気が付くことがあります。
    きっかけはいろいろ。
    自然の風景だったり、
    誰かの言葉だったり
    誰かの行いだったり。
    自分が動いてみたことでも。

    ああ こういうことだったのか、
    こうすればよかったのか、
    あの人は このように思っていたのか、

    など、
    気付いたことは多かったと思います。
    その積み重ねで今がある。

    振り返ってみた時には、
    立ち止まっていた地点より随分進んでいます。

    私も事故直後から、全く進んでいないように思えても、
    やはり以前とは違います。
    少しずつでも、進んでいるのは間違いないのです。

    交通事故だけではありません。
    世の中にはさまざまの苦しみがあります。
    今悲しみや苦しみの渦中におられる方も
    たくさんいらっしゃることでしょう。

    だけど、大丈夫ですよ。
    苦しみはいつか糧になる。

    だから、大丈夫なのです。

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