命のかたち
    - 2015/05/01(Fri) -
    10年前のこと

    友人達と一緒に
    日帰りで温泉に行ったんですよ。

    その温泉は白山の麓にあり
    その先は登山道だけの行き止まり。
    鄙びた温泉です。

    その場所の自然の美しさに
    どじを想い、心が安らぎ、
    心が洗われるような気持ちになったのを覚えています。

    昼食に出された食事は、山の幸 川魚
    その頃はまだ、今のような野菜中心の食事をしていた訳ではなかったのですが、
    その素朴なお料理がとても美味しかったのです。
    自然の美味しさなのでしょうね。
    このような辺鄙なところで、と言ったら失礼ですが、
    こんな美味しいお料理をいただけるとは思っていなかったので
    驚き、そして感動しました。

    その温泉宿はご家族で経営されていました。
    ご両親と、40代くらいの息子さん。
    息子さんが山菜を採りに行くと仰っていたと思います。
    冬季は雪が深く休業になりますが、
    定期的に雪下ろしなど点検に来ているそうです。
    雪で車が入ってこれないので、スキーを履いて歩いて来るんですよと
    笑顔で話されていた息子さんを思い出します。

    夏は星がとても美しく、
    そのお話を聞いて、
    夏にもう一度来てみたいと思ったものです。

    ですがなかなか機会がなく、
    昨年のちょうど今頃に
    また日帰りで行ってみようかなと思い
    HPを見たところ・・・

    なんということなのでしょう。

    2年前の春に息子さんが山菜採りに行かれた時に
    足を滑らせて川に落ち、亡くなってしまわれていたのです。
    平地より1ヶ月くらい遅れて春が訪れる地。
    雪解けの水がまだ冷たい季節です。
    ご両親も大変落胆されて、
    宿は閉館となってしまっていました。

    ショックでした。

    お顔はぼんやりとしか覚えていませんが、
    穏やかな息子さんとご両親の姿が目に浮かび
    とても胸が苦しくなりました。

    何も知らないでいたことを申し訳なくも思い、
    ご両親のお気持ちを思うとやるせなくもなり・・

    たった一度訪れただけなのですが、
    まるで親しかった人を亡くしたような気持ちがしました。

    その話を聞いたある人が
    「人の命には いろいろな形があるんですね」
    と 言いました。

    本当に 人の命 
    人それぞれなのですね。
    とても悲しいことですが・・


    温泉も閉鎖となり、大変残念に思っていましたが
    その後、ある企業が買い取り、
    企業の施設として再開されることを知りました。

    そうなればまた、訪れることが出来るかもしれないと思い
    その日を楽しみにしようと思っていましたが、
    残念ながら今年の2月に、雪の重みのため本館が倒壊し、
    再開は延期となってしまいました。
    現在は再建の工事をされているところです。

    どじとは行ったことはありませんでしたが・・
    きっと あのような場所には
    自然が好きだった どじの命が溶け込んでいるような・・
    そんな気持ちになる 温泉です。

    いつかまた 訪れたいと思っています。
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